昔ながらの電気炉向け耐火物
株式会社 石川製作所では 古くから工業用電気炉向け部材の一端として、炉材となる耐火物を取り扱ってきました。
戦後まもなく、電熱機器の専門商社へと業界を大きく変化させたと同時に、丸型炉や角型熱板 等に代表される耐火物の販売を現在に至るまで継続して参りました。
当時、電気炉向け耐火物を製造する窯元が多く存在しました。
材料はシャモット(粘土)で、素焼きの陶器と同様です。
主成分は酸化ケイ素や酸化アルミニウム等で、天然に存在するありふれた材料から作られており、
その手軽さから多くの現場で作成・使用されました。
高度経済成長期を迎えてしばらくすると、発熱体の性能向上に合わせ、
より高温に耐えるセラミックスファイバー製のパネルヒーターやアルミナ製耐火煉瓦が台頭し、
昔ながらの耐火物は徐々に使われなくなりました。
しかしながら、手軽に使用できる耐火物の需要は根強く残っております。
現在においても、古い電気炉の保守や高コストのパネルヒーターまたはアルミナ製耐火煉瓦の代替品として、お客様から多くのご注文を頂いております。
電熱線一体成型のパネルヒーターは、電熱線が切れるとパネルごと交換しなければなりません。
耐火物は痛みが激しくない限り、電熱線の交換で対応出来る事からコストと保守・修理にかかる時間で優位性を保っております。
アルミ溶解炉をはじめ、焼成炉 乾燥炉 管状炉 坩堝炉など、規模を問わず使用実績がございます。
我々は、この根強い需要にお応えすべく、日本国内では珍しくなった耐火物製造業者と共に歩みを進めて参ります。
耐火物の製造現場と作例のご紹介
耐火物はどのように作成されているか、ほとんどの方が想像できなかったり、現場を見たことが無いと思います。
近代的な工場で次々と成形されて、短時間で大量生産されてるに決まっている。
小さな町工場で、昔ながらの流れ作業で作っているのではないか?
人それぞれ、様々な憶測が出てくるのではないでしょうか。
ところが、実際は完全な手作りなのです。
いわゆる陶芸と同じで、粉状の材料を水でこねて粘土状にして木型で成型、溝は手作業で掘り込み、天日乾燥を経て電気炉で焼成します。
工程を急ぐと成形不良や割れてしまったりと品質に影響が出てしまい、大量生産できません。
株式会社石川製作所は、事業の継続性と品質を守り続ける事を責務とし、窯元と連携して高品質の耐火物を皆様に販売いたします。
その現場と作例をご紹介いたします。
耐火物の作成現場
弊社と古くから付き合いがある、愛知県の神戸陶器です。
数年前に事業を引き継ぎ、瀬戸市に近い山あいに移転した直後の様子です。
瀬戸市周辺は瀬戸焼と呼ばれる食器や茶器の産地として有名です。
古くは鎌倉時代、南宋(中国)で陶法を学んだ加藤景正が良質な粘土を瀬戸地方で発見、山林からは薪を入手しやすい事からこの地で始まったと伝えられています。
近代においては、民生品向け以外にも工業用のセラミックス製品や一般磁器製の碍子を作成する企業が大小集まっています。
高度経済成長期を終え、日本のモノづくりが衰退した現代では数を減らしましたが、確かな基礎技術を引き継いだ力のある企業が、今もなお日本と世界を支え続けております。
神戸陶器も根強い耐火物需要に応じるべく、その一端を担って活動しております。
角熱板の表面をかんなや自作の道具で均します。長年の経験と勘で焼成時の収縮を考慮し、絶妙な力加減で平面を創り出します。ここを見誤ると仕上がり外寸が狂ってしまうばかりでなく、互いに密着させて設置すると隙間が出来てしまうので炉内にピッタリと収まりません。
40年以上の経験を持つ、職人の技をご覧ください。
二つ割丸炉の溝を加工しています。彫刻刀のような道具も窯元の手作りです。溝の形状によって刃先の角度を変え、様々な道具を自由自在に扱います。
電熱線を溝に落とし込める立体的な溝は、削りすぎると寸法が狂うばかりでなく、仕切り壁が歪んだり割れてしまいます。職人の勘と経験で水平と立体を造形する高い技術が耐火物の品質を支えています。
小型の角熱板を成型しています。こちらの動画では手作業で木型に粘土を詰め込んで成型しています。
粘土が行き渡りにくい四隅は親指でしっかりと押し込み、余った粘土を取り去っては押し込む工程を十分に繰り返します。ひっくり返して裏面からも同様の工程を行います。
これにより密に粘土が詰まり、寸法公差と強度が高まります。
上半身の体重をしっかりかけて、リズミカルに繰り返し詰め込む作業はとても過酷です。
小型の角熱板 成形の続きです。裏面から粘土を詰め込んだのち、あふれた粘土を効率よく取り去ります。
平面となる部分は、木型の縁と面一で糸切りを使って切除します。
慎重に芯棒を抜き取って溝を成形し、木型から抜き取ります。
この後に上記の丸炉と同じ要領で、手作りの彫刻刀を用いて溝の開口加工を行います。
型から抜く際に、水分を含んだ粘土が自重で反ってしまう事がある為、緊張感が高まる作業です。
小型の電気炉に入っていた耐火物が焼きあがりました。
水分が完全に抜け、主成分である酸化アルミニウムと酸化ケイ素が熱で変性する事で硬く焼き締まり、きれいな白色となります。
耐火物やセラミックス製品は、焼成後に蓋を開けて初めて完成失敗が分かります。
ごく稀に、割れや変形などが発生する場合がありますが、陶芸と同様で宿命ともいえる事象です。
納期でご迷惑をおかけする場合があります事をご留意ください。
長年にわたり従事してきた職人でも蓋を開けるときは緊張する様で、きれいに焼けた耐火物たちを目にすると喜びと安堵の気持ちがあふれると言います。
冷却後に変形や割れ、想定以上の熱収縮が無き事を確認して十分な梱包を施し、弊社やお客様の手元に直送されます。
これらの耐火物はパネルヒーターやアルミナ煉瓦の様にスベスベとした質感と異なり、多少ザラついた質感です。
製品の性質上、薄いクラック状の線が入る事がありますが、ほとんどの場合は品質に問題はありません。
特注 熱板の作例
弊社では規格品以外にも、各種形状の特注耐火物を作成可能です。
異形品も作成可能な場合があります。
下記に作例を掲載いたしますのでご覧ください。
特注耐火物のお見積依頼について
各種形状、単純な板状から異形品まで特注耐火物の作成を承ります。
原則、お客様には可能な限り詳細な略図を作成いただきます。
文章でのご依頼だと相違が発生してしまうためです。
ご依頼にあたり、ポイントを下記に記しますので参考にしてください。
●耐熱温度
下記の表を参考に耐熱温度を指定してください。
通常は考えられる最高使用温度に合わせますが、1ランク上を選んでいただくと、耐久性が増す可能性があります。
普通 | 高温用(特) | 高温用(特々) | |
アルミナ(Al2O3) | 31.00% | 49.60% | 55.00% |
シリカ硅酸(SiO2) | 63.50% | 45.30% | 40.00% |
酸化鉄(Fe2O3) | 2.20% | 2.00% | 1.80% |
ケイ酸カルシウムCaO | 1.10% | 1.10% | 1.10% |
最高使用温度 | 1,000℃ | 1,200℃ | 1,300℃ |
●角型熱板
・縦寸 横寸 厚さに加え、溝径と溝の本数をご指定下さい。
・ネジ止め孔が必要であれば、その位置やざぐり加工の有無をご指定下さい。
●二つ割丸炉
・縦使いの場合は縦溝、寝かせて使う場合は横溝か縦溝をご指定いただけます。
・縦使い専用で らせん溝 もご指定いただけます。
・外径 内径 高さに加え、溝径と溝の本数をご指定下さい。
●その他形状や共通事項
・熱電対導入孔や電熱線リード導入孔、またはスリット加工。
・溝のピッチ。
・異形品であれば角度なども詳細にご指定下さい。
・特注品にも電熱線を組み込めます。鋼種や線径、電圧 容量 などご相談可能です。
●注意事項
・製造上の都合上、ご希望通りの寸法を実現できない場合があります。
・なるべく近しい形状でご提案いたしますが、寸法の変更や、大型品の場合は分割対応になる場合があります。
・焼成物ですので、必ず多少の寸法公差が発生しますのでご注意ください。
・お見積は設計が伴います。お時間を頂きますのでご了承ください。特に納期が決まっている案件は特にご注意ください。
納期に合わせる事が不可となる場合があります。
・ご注文いただいた場合、納期は最善を尽くしてご対応いたします。
しかしながら、ごく稀に焼成時の割れや変形で再作成になる場合がありますので必ずご留意ください。
納期や工期に余裕を持っていただく様、お願いいたします。
●ご依頼方法
情報がまとまりましたら、下記バナーからメールフォームにてお問い合わせください。
後日、担当者からメールを差し上げます。
担当者に資料をお送りいただき、打ち合わせに入らせていただきます。






















